Yasuko Kumazawa Architect Office

京都の町家改修〜解体後

20.10/10 [ 京町家計画 ]

9月から始まった解体工事がほぼ完了したという知らせを受けて、現場打ち合わせに赴きました。
構造材以外がほぼ取り払われ、骨格があらわになっていました。

1階骨格


2階骨格





まずは柱の足元の基礎工事の打ち合わせ。部分によって納まりがまちまちで、延石や一つ石の上に石場建てになっていたり、煉瓦積みの上に柱が立っている箇所もあり、建築されてから何度か改修されていることが伺えます。
煉瓦積みになっている外周は内側にRCで新たに基礎を作りその上に古い柱に添えて新しい柱を設置して補強することにし、中通りのレンガは取り払ってコンクリート耐圧盤を打ち、その上に柱を下ろすことにしました。

既存延石


中通りの煉瓦積み


外周の煉瓦積み


柱の根元は朽ちている部分があり、根継をしたり、新しい柱に取り替えたりして補強していきます。

ピーター・ドイグ展

20.10/06 [ 日々 ]

久しぶりに美術館に足を運び、ピーター・ドイグ展を見ました。
ピーター・ドイグは1959年生の現代アートの時代を生き続けている画家です。
現代アートといえば、思想や主張を作品に落とし込んだ、抽象的で難解な作品ばかりを思い浮かべますが、ドイグは徹底的に具象での表現を試みており、そこに新鮮な感覚を覚えました。
子供の頃の美術の時間に描いたような懐かしさも感じさせる具象絵画なのですが、そこに空想が入り込み不思議な空気を纏います。
時間、空間や遠近感に対して、普段、同時に感じている人間の感覚を分解して、3分割の画面や、鏡像で表現しています。
その絵には人間や物事の多様性が抽出され、同時にそれに対する鑑賞者の見方が問われているのを感じ、やはり、紛れもなく現代絵画なのです。
具象で現代絵画を描くというチャレンジ。こんなことができるんだー!と嬉しくなりました。
それはきっと絵を描くのが大好きな画家であるがゆえにたどり着いた領域。


物事が行き詰まったように感じた時は、遠くを見るのではなく、自分の足元を見て、自分の出来ること、自分が信じるものに取り組むことが大切なんだと教えてくれているようでした。

news