Yasuko Kumazawa Architect Office
 杉並区内の静かな住宅街に建つ約40坪の旗竿敷地の計画です。敷地のメインとなる部分は四方を隣家や集合住宅に囲まれており、視線の抜けは細く長く伸びた「竿」の方向に限られる土地でした。幸いにも東側隣家の庭が竿に接していたため、隣家の緑とつながるように竿と玄関先に植栽を施すことで、豊かな景色が生まれました。
 敷地内で最も良い景色が臨める位置を家族が集まるスペースとし、大開口を配置。窓と並行に配したソファエリアと、窓に寄り添うダイニングを設けました。外の景色と心地よく繋がる居場所を複数設けることで、家族が思い思いにくつろげるプランとしています。
 光の届きづらい建物の中央にはトップライトを設け、建物のメインの動線の階段室を配しています。トップライトからの光を階段室を通じて1階ホールにも届くようにし、そこを中心に個室や水回りへの動線へと集約しています。
 また、空気集熱式ソーラーシステムを採用し、冬場直射日光の届かない部屋にも暖気が行き渡るようにしました。
所在地:東京都
家族構成:夫婦+子供2人
構造:木造2階建
敷地面積:135.20㎡(40.90坪)
延床面積:108.80㎡(32.91坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域/準防火地域
建ぺい率/容積率:50/100
施工会社:幹建設
設備:空気集熱式暖房そよ風/環境創機
植栽:ゾエン蓑田真哉
写真:西川公朗

  • 西荻窪の家-1

    広間の開口部を見る。玄関先スペースと敷地の竿部分の植栽が隣家の植栽と繋がり、空へと視線が伸びる。

  • 西荻窪の家-2

    ソファースペースは造作家具で囲い、適度に籠り感のある落ち着く居場所を作った。

  • 西荻窪の家-3

    ソファースペースを囲う家具の後ろにある家事室。左はキッチンへの入り口。

  • 西荻窪の家-4

    2階階段ホールから広間を見る。階段ホールに全ての部屋を接続させることで、動線にあたる面積を最小限にし居住空間へと割り振った。

  • 西荻窪の家-5

    2階階段ホールを見る。トップライトから光が降り注ぐ。

  • 西荻窪の家-6

    玄関先の植栽スペースを囲むように広間とL字に配置された小間。家族共用の小さな趣味部屋。

  • 西荻窪の家-7

    子供室を見る。3.6畳の広さにベッド、クローゼット、デスクがコンパクトに収まる。

  • 西荻窪の家-8

    キッチンを見る。奥はサービスバルコニーへとつながる。

  • 西荻窪の家-9

    1階玄関ホール。階段室から光を落とすことで自然にメインの動線へ目線を誘導している。

  • 西荻窪の家-10

    個室兼ピアノ室を見る。玄関先の植栽スペースより光が差し込む。

  • 西荻窪の家-11

    個室兼書斎を見る。障子で光を拡散させながら隣家からの視線を調整する。

  • 西荻窪の家-12

    道路からアプローチを見る。雁行させた小道の両脇の植栽が、通りからの視線を遮るとともに2階からの景色を作る。

  • 西荻窪の家-13

    玄関先の植栽スペース。テーブルの置かれた玄関土間では緑の景色を楽しみながらコーヒータイムを過ごす。

  • 西荻窪の家-14

    ダイニング夕景。夜は障子を閉めて外からの視線を調整する。

  • 西荻窪の家-15

    外観夕景。広間の灯りが通りに漏れる。

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