Yasuko Kumazawa Architect Office
 都市部の住宅地に位置する、茶室と茶庭を併設した、60代夫婦のための住宅です。敷地は十字路の西南角地に位置し、人や車の往来の多い道路に面しています。
 本格的な茶事を楽しむための茶室と水屋、茶庭が要望され、それらの基本的なセオリーを踏襲すること、さらに茶事を行う際に寄り付きとなる部屋や懐石を用意するキッチンとの連携が求められ、方位や動線計画をもとにプランが決定されていきました。
 敷地の南西角にある茶庭は往来の多い道路に面しているため、目線の入らない板塀で囲い、内側をスギ皮張りとして、しっとりとした茶庭の趣を演出しています。
 茶事の際の人の出入りを想定した1階に対し、2階は完全プライベートな空間としてコンパクトにくつろぎの空間をまとめました。窓辺に座れば、茶庭の木々の梢がちょうど目線の高さにあり、十字路の喧騒もかき消してくれます。
所在地:東京都杉並区
家族構成:夫婦
構造:木造2階建

敷地面積:115.59㎡(35.00坪)
建築面積:57.94㎡(17.53坪) 
延床面積:113.58㎡(34.36坪) 
用途:第1種低層住居専用地域
   準防火地域
建ぺい率/容積率:50/100
断熱等性能等級5(Ua値0.47W/㎡K)

施工会社:宮嶋工務店
設備:空気集熱床暖房/太陽光パネル/
   太陽光温水器/薪ストーブ

造園:ゾエン 蓑田真哉

家具:hao&mei 傍島浩美

写真:西川公朗

  • 松庵の家-1

    道路からの外観。高さ2Mの塀に囲われた茶庭は道路からは見えない。庭に植えられた2階の窓まで届く木々の梢が外部からの視線を遮り、外の喧騒が遠くに感じられる。

  • 松庵の家-2

    西側道路からのアプローチ。檜づくりの庇と玄関扉が人を迎え、茶事がすでにここから始まることを暗示している。

  • 松庵の家-3

    玄関から寄り付きに入る。茶室が見える開口は茶事の時には閉じられ、茶室へは茶庭を通って左手の躙口から入る。

  • 松庵の家-4

    茶庭に出ると右の待合を経て、右に迂回するように躙口にアプローチをする。

  • 松庵の家-5

    四畳半の茶室。エンジュの床柱と北山杉の床框、赤松皮付の壁留は京都まで足を運び選んだもの。客座の天井は黒部杉。

  • 松庵の家-6

    躙口から茶庭を見る。

  • 松庵の家-7

    茶庭から茶室を見る。手水鉢を迂回して躙口にアプローチする。

  • 松庵の家-8

    茶室に隣接する水屋。手元を明るくするためのライトが棚下にも仕込まれている

  • 松庵の家-9

    2階。キッチンから窓辺のダイニングを見る。窓の外には茶庭に植えられた木の梢が見える。

  • 松庵の家-10

    ダイニングの左手奥に籠り感のあるリビングが見える。

  • 松庵の家-11

    茶事にも対応するキッチン。配膳のためのカウンターは2.1m×0.8mのウォールナットの無垢材。2人で調理が行われる。

  • 松庵の家-12

    廊下からリビングを見る。間に3本の格子があることで、より一層、籠り感が感じられる。

  • 松庵の家-13

    リビングは7畳ほどの小さな窓辺の空間。

  • 松庵の家-14

    リビングから廊下を見返す。リビングの一角にはデスクコーナーがある。廊下の突き当たりには寝室が見える。

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