Yasuko Kumazawa Architect Office
 敷地は第一種中高層住居専用地域内にあり、敷地いっぱいに建てられた住宅や3階建てのアパートに囲まれ薄暗く、視点となる風景の見当たらない土地でした。
 自動車工場にお勤めの建て主からは、車3台分の駐車スペースの要望があり、30坪の土地の中で車と建物の配置パターンをいくつも考えることから設計が始まりました。
 これからリタイアを迎え、1日この家で過ごされるご夫婦のため十分な明るさと木々の眺めを用意したい。2階リビングとそれに続くベランダがその回答となり、1階の駐車スペースの脇とベランダに植えられた樹木の梢が連なり、まるで木立の中に住んでいるような感覚を呼び起こす空間をつくることができました。
所在地:埼玉県
家族構成:夫婦
構造規模:木造3階建て
敷地面積:100.04㎡(30.2621坪)
延床面積:108.13㎡ (32.71坪)
用途地域:第一種中高層住居専用地域
建ぺい率/容積率:60/200
施工会社名:幹建設
植栽:風(ふわり) 楠 耕慈 
家具:Hao&Mei 傍島浩美
 KAJART 吉田 亞人
写真:西川 公朗

  • 朝霞の家-1

    2階リビング。奥左側がベランダへと続く開口部。FIXガラス窓の先には1階駐車場の脇に植えられた樹木の梢が見える。
    漆喰で塗られた壁が弧を描きながら天井とつながる吹き抜け空間。柔らかな光に包まれる。

  • 朝霞の家-2

    リビング西側、道路側開口部を見る。外部からの視線、西日を和らげるためのスクリーン建具を透かしてコナラの梢が見える。

  • 朝霞の家-3

    ダイニングの右奥にキッチンが見える。

  • 朝霞の家-4

    キッチンからダイニングスペースを見る。

  • 朝霞の家-5

    キッチン内部。ベランダの樹木が見える一角に腰かける場所をつくった。
    そこにいる時間を大切に思える光や風、景色と共にある生き生きした場所。

  • 朝霞の家-6

    3階和室。右の開口がリビング上部の吹き抜けになっている。

  • 朝霞の家-7

    3階書斎。小さな居場所は個人の時間を与えてくれる。

  • 朝霞の家-8

    吹き抜けからリビングを見る。置かれた家具が過ごし方を導いてくれる。

  • 朝霞の家-9

    蹴上寸法18センチのゆったりとした階段。
    吹き抜けで繋がる2,3階の間は透かし階段とし軽やかな印象とした。

  • 朝霞の家-10

    1階寝室。開口部にはスクリーン建具を入れて光と視線をコントロールしている。

  • 朝霞の家-11

    道路側外観。外壁には焼き杉板を張っている。
    玄関ポーチはニッチ状の雨をしのげる軒下空間とした。

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