Yasuko Kumazawa Architect Office
 都心の住宅地に位置する、間口の狭い26坪の狭小地での計画です。敷地は細長く伸びた長手方向の東西を隣家に挟まれています。このような住宅街に位置する細長い敷地では往々にして、採光や通風を取るための工夫が必要となります。この家では「道路からの入り口」「敷地の奥」の他に、「敷地の真ん中」に小さな坪庭を設けることで、家の至る所で光と風、緑の景色が得られる計画としました。
 敷地真ん中の坪庭に面した階段室を中心に、南北両翼に部屋を振り分け、生活動線をコンパクトに収めながら、居る場所ごとに変化する庭の眺めを作ることにより、狭小地とは思えない奥行きが感じられる家となりました。
所在地:東京都
家族構成:夫婦+子供1人
構造:木造3階建
敷地面積:85.97㎡(26.01坪)
延床面積:96.01㎡(29.04坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域/準防火地域
建ぺい率/容積率:60/150
施工会社:宮嶋工務店
植栽:ゾエン蓑田真哉
写真:西川公朗

  • 下北沢の家-1

    2階北のキッチンからダイニングを見る。窓辺の小さな吹き抜を介して子供室とつながる。

  • 下北沢の家-2

    ダイニングキッチン。窓先には緑の景色が広がり、北側でも明るい光に満たさている。

  • 下北沢の家-3

    2階南のリビングを見る。右手はベランダにつながる。

  • 下北沢の家-4

    リビングから階段室、ダイニングを見る。リビング床は階段を2段下がったレベルとし、適度な籠り感を作った。

  • 下北沢の家-5

    道路に面した窓は外からの視線に配慮しロールスクリーン生地を使用した建具をはめ込む。

  • 下北沢の家-6

    リビングからベランダと坪庭を見る。ベランダを坪庭と繋げることでリビングからも広い空が見えるようにした。また、一階への通風や採光としての役割も担っている。

  • 下北沢の家-7

    キッチン窓から坪庭越しにベランダを見る。北側に配置されたキッチンにも南からの陽光が直接差し込む。

  • 下北沢の家-8

    3階子供室から書斎を見る。ロフトにはエアコンが設置され、3階全体の空調を担う。

  • 下北沢の家-9

    坪庭に面した階段室は、上下移動のたびに庭の眺めが変化する。

  • 下北沢の家-10

    玄関ホール。坪庭に面する階段室は動線の要となっている。

  • 下北沢の家-11

    1階寝室を見る。建物に囲まれた敷地奥の1階でも窓から陽光が差し込み、緑を感じることができる。

  • 下北沢の家-12

    敷地の中央の坪庭に位置する玄関。入口を奥まで引き込むことで室内での動線がコンパクトになるようにしている。

  • 下北沢の家-13

    空からの陽光に満たされる坪庭。

  • 下北沢の家-14

    トンネル状のアプローチ空間。奥の坪庭に空からの直接光が差し込む。

  • 下北沢の家-15

    外観を見る。左手の植栽の脇を通って奥の玄関へとアプローチする。

<< これまでの仕事一覧へ戻る