敷地は新しく造成された住宅地に位置し、計画を始めた頃はまだ周囲に空き地が多く残り、そのためか建ちつつある住宅はまだ街並みに関心が殆ど払われていない建物ばかり。殺伐とした街並みが形成されつつありました。
設計当初、中庭形式のL字型あるいはコの字型の周囲の環境から閉ざしたプランから考え始めましたが、プラン自体の明快さになかなか至ることができずにいました。
そんなある日、6角形の外形を敷地の中心に置いたところ、全ての室がそれぞれの関係性を保ちながら有機的に展開する、ワクワクするプランが見えてきました。また4角形の敷地と建物の間にできた余白に植栽を施すことで窓先の景色として上手く機能するばかりか、その植栽が街区にとって緑地として貢献できるような、庭に包まれた住宅が出来上がりました。
6角形の辺に沿って回遊できるプランは居場所が連なることで空間的に奥行きを感じさせています。多くの居場所を散りばめることで6角形という強い形を忘れさせるような、やさしい印象の住まいになったと思います。
所在地:愛知県
家族構成:夫婦+子供2人
構造規模:木造2階建て
敷地面積:215㎡ (65.04坪)
延床面積:133.18㎡ (40.29坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
建ぺい率/容積率:60/100
施工会社名:阿部建設株式会社
植栽:風 (ふわり) 楠 耕慈
家具:Hao&Mei 傍島 浩美
写真:西川 公朗
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1階リビング。左側ソファーはニッチ状のコーナーに収め、深く腰を落ち着けて寛げるようにした。
ソファー正面のTVボードは上部からスクリーンが降りてきて、ホームシアターを楽しめる設えとなっている。
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窓から光が差し込む。開口部は現場作りによる木製建具。
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敷地の形状を生かし食堂と居間の床をスキップさせることで場の切り替えを行い、奥行きを感じさせるデザインとしている。 ダイニングの奥にはオープンキッチンが見える。
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ダイニングを見る。掃き出しの窓先に大谷石のテラスが続く。
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造作によるキッチン。シンクの前の窓からは植栽が見える。
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食堂から続く廊下から階段室を見る。階段は木製の螺旋階段。
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寝室を見る。天井は屋根なりの勾配天井で、包まれたような心地のする空間。
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植栽の間を縫いながら進むアプローチ。正面に玄関扉が見える。
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東側外観。木製の板が張ってある部分は木製建具のための戸袋で、網戸とルーバー建具が収納されている。
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