Yasuko Kumazawa Architect Office
 北には河川敷、南には山と南北共に緑豊かな景色に恵まれた敷地に計画した陶芸家のアトリエ併設住宅です。北側河川敷のパノラマの景色と南側道路を挟んだはす向かいの家の裏山の緑を生かしながら、ライフスタイルの変化に柔軟に対応できる家を作ることがテーマでした。
 そこで1階と2階に大きなボリュームを確保し、壁ではなく家具を用いて場所を作ることとしました。2階の広間には、河川敷の風景を取り込むための北向きの大きな窓と、隣家の向こうの山の景色を取り込むための南向きの高窓を設け、2つの開口をアーチ状の天井で結ぶことで、おおらかな空間となっています。その中にキッチン、ダイニング、リビング、書斎をそれぞれ家具によって作ることで、それぞれの空間が閉じることなく家族が集まり、同じ景色を共有しながら思い思いに過ごせるようになっています。1階の住居スペースは竣工時は子供のプレイルームとして使用し、家具で仕切れば子供部屋、子供が巣立った後は陶芸のギャラリーとして使用するなど、ライフサイクルによって用途を変化させることができるフリースペースとしました。
所在地:静岡県
家族構成:夫婦+子供2人
構造:木造2階建
敷地面積:211.27㎡(63.91坪)
延床面積:144.86㎡(43.82坪)
用途地域:第二種中高層住居専用地域
法22条地域
建ぺい率/容積率:60/150
施工会社:匠工務店
写真:西川公朗

  • 藤枝の家-1

    パノラマの川の景色とダイニングキッチン。窓は腰掛けられるような深い窓としている。

  • 藤枝の家-2

    2階広間を見る。アール天井が包むおおらかな空間。

  • 藤枝の家-3

    ソファースペースと書斎スペースは家具で柔らかく仕切ることでそれぞれの居場所をつくっている。窓の向こうには木々に覆われた山が見える。

  • 藤枝の家-4

    ダイニングテーブル上には建主の作陶による照明器具。

  • 藤枝の家-5

    アイランドキッチンでは、子供達と一緒に料理を楽しむ。

  • 藤枝の家-6

    階段室の窓が川の景色を切り取る。

  • 藤枝の家-7

    階段ホールにはベンチと本棚があり読書コーナーとなっている。

  • 藤枝の家-8

    1階のフリースペース。現在は子供達のプレイルームとなっている。

  • 藤枝の家-9

    和室。夜は寝室として使用しており、壁一面にはクローゼットを造り付けている。

  • 藤枝の家-10

    住居の玄関を見る。ガラス窓の向こうはアトリエ。

  • 藤枝の家-11

    陶芸家のアトリエ。奥は釜室、テラスへと続く。

  • 藤枝の家-12

    アトリエに隣接したテラス。おおきな軒下は陶芸の作業や子供の遊ぶスペースとなっている。

  • 藤枝の家-13

    道路側アプローチを見る。左手にアトリエ、正面に住居の扉が見える。

  • 藤枝の家-14

    川沿いから建物を見る。建物の奥に見えるのが桜に覆われた裏山。

  • 藤枝の家-15

    川と建物を見る。土手は2階のフロアーレベルにある。

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