Yasuko Kumazawa Architect Office
 世田ヶ谷の住宅地に位置する30坪の敷地に建つ、子育てを終えた夫婦のための住宅です。親の世代から受け継ぎ、長年生活をしてきた住宅は子供が巣立ち、そして自身がリタイアを迎えたことを機に、これからの暮らしにあった住宅への建て替えを希望されていました。
 間口8Mの西側が道路に面し東西に長い敷地は、冬季には1階にほとんど日が入らないことから、2階をリビングとしました。その2階両翼に夫婦それぞれのスペースを設け、日中のほとんどを日当たりの良い場所でお互いが程よい距離感を保ちつつ過ごせ、建物全体に気持ちよく風が抜けるプランとしています。
 暖房には、空気集熱式暖房「そよ風」を採用することで、冬場直射日光が届かない1階にも太陽の恩恵が得られるようにしています。

  • 祖師谷の家-1

    西側道路から見る。敷地手前の南西と手前奥の南東角に庭を取り、室内へ光と景色を取り込む。

  • 祖師谷の家-2

    玄関アプローチ。1坪ほどのスペースに植栽を施し、それを迂回するように動線をクランクさせてアプローチをできるだけ長くとっている。

  • 祖師谷の家-3

    土間の仕上げは素焼きのレンガタイル。緩やかな階段でレベルを上げていく。

  • 祖師谷の家-4

    アプローチの木々の梢は2階の広間からの景色にもなる。

  • 祖師谷の家-5

    2階リビング。視界が抜ける東西の庭に向けて窓を設けている。

  • 祖師谷の家-6

    ソファースペースから食卓を見る。キッチンからのアクセスが良い左奥には奥様の裁縫スペース。

  • 祖師谷の家-7

    食卓からソファースペースを見る。右奥にはご主人の書斎。

  • 祖師谷の家-8

    西の窓辺の居場所。窓にはアプローチに施された植栽の木々の梢。

  • 祖師谷の家-9

    広間からキッチンを見る。対面式のキッチンは両脇が通り抜けできるアイランド型で家事動線がコンパクトに。

  • 祖師谷の家-10

    東ウイングにある奥様の裁縫スペース。

  • 祖師谷の家-11

    裁縫スペースには東南の庭に面した窓から陽光が差す。

  • 祖師谷の家-12

    突き当たりに2階西ウイングにあるご主人の書斎。夫婦が程よい距離感で日中を過ごす。

  • 祖師谷の家-13

    玄関ホールから寝室を見る。東南の庭から光が差している。

  • 祖師谷の家-14

    玄関ホールから階段を見る。2階から光がやわらかく落ちる。

  • 祖師谷の家-15

    寝室から東南の庭を見る。道路からの目線が気にならない東南の庭は物干しスペースも兼ねる。

  • 祖師谷の家-16

    広間夜景。居場所に寄り添う明かり溜まりが連なり、空間が立体的に感じられる。

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