敷地は北東方向に視界の開けた小高い丘の上。この景色を望みながら朝食のひと時を過ごせる家というのが最初に抱いたイメージでした。
しかし、敷地の少し奥に入るとその景色は隣家により遮られてしまうことから、敷地の奥にも何かしらの住まいの拠り所となるものが必要だと感じました。また、本格的な料理のできるキッチン機器・薪ストーブ・レインシャワー・展望台・フィットネスも楽しめる多目的空間・音楽室など、数々の楽しいご要望に対するいくつもの居場所の繋げ方も課題となりました。
そこで、建物をコの字型として中庭を囲み、中心に植えられた木々を巡って場が展開するプランとしました。中庭を介してその向こうの空間が見えることで、家全体が一体となって感じることができます。
ダイニングからの眺望、中庭から入り込む陽の光が、季節の移ろい、1日の移ろいを感じさせる住まいになったことと思います。
所在地:東京都
家族構成:夫婦+子供1人
構造規模:地下RC木造2階建
敷地面積:181.56㎡ (54.92坪)
延床面積:154.76㎡ (46.81坪)
用途地域:第一種低層住居専用地域
準防火地域
建ぺい率/容積率:40/80
施工会社名:渡邊技研
植栽:風 (ふわり) 楠 耕慈
家具:タンペレ 出口 真樹
写真:西川 公朗
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2階リビング。開口部を通して中庭の木々の梢が見える。
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2階リビング。奥にダイニング。それぞれの居心地を内包しながら繋がる。
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2階リビング。薪ストーブの後ろの壁は耐火性を考慮しタイル張りの2重壁としている。中庭を介して浴室前テラスが見える。
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ダイニングからの眺望を見る。開口部の先はデッキスペースとし、外での食事を楽しむことができる。
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ダイニングからリビングを見る。太陽高度の低くなる冬に充分太陽の日差しを取り込むことができるよう、中庭に面した開口部をコの字コーナー窓とした。
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1階多目的室。障子を引き出せば、廊下と仕切ることができる。テラスの床には大谷石を使用している。
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1階寝室入り口にある書斎コーナーを見る。中庭を巡り様々な居場所が散りばめられている。
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中庭テラスより開口部を見る。造作による木製建具は美しく景色を切りとることができる。
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外観を見る。道路に面したRC部分の上に木造2階建が重なる。
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